ただ面白いだけじゃない「面白蛇口」

大坂発のおもしろ蛇口メーカー

2015年ころからインターネット上のSNS画像サイトで頻繁に見かけるようになったのが「面白蛇口」です。
最初はまるでCGで作ったかのように思えるのですが、実はそれらは全て実際の製品として販売をされているものなのです。

面白蛇口を製造しているのは「株式会社カクダイ」という明治12年に創業された大坂の大手メーカーです。
取扱製品は全て水回りに関するもので、家庭やオフィス、商業施設向けの蛇口や水栓、その他緑化用ホースといったものもあります。

面白蛇口を販売する以前までは非常におしゃれで使いやすいごく普通の蛇口を取り扱っている有名メーカーだったのですが、新しく「Da Reya」という専用ブランドを立ち上げ現在も多数のデザインをリリースしています。

そもそもなぜこのような取り組みをするようになったかというと、「当たり前の水栓ではなく、子供に興味を持ってもらえるものを作る」ということがコンセプトだったと同社の広報担当者は言っています。

なぜあえて子供なのかというと、子供の時にこうした面白みのあるデザイン製品を知っておくことで将来的にデザイナーやエンジニアを志すきっかけにして欲しいという願いがあるからです。

蛇口というのは一見ただひねればそこから水の出る当たり前の製品のようですが、そこに深みをもたせることで水道インフラの素晴らしさに目を向けてもらいたいという気持ちもあるのだといいます。

実際「Da Reya」は売れているのか?

しかしそこで気になるのがこの製品の採算です。
いくら高い理念があったとしても、不採算事業であっては長く続けていくことはできません。

「Da Reya」が販売開始されたのは2012年1月からで、2015年までの4年間で約7000個を販売することができたといいます。

しかし4年で7000個という数字は決して爆発的ヒット商品というわけではなく、また通常の水栓デザインと異なるため1種類ごとの研究開発費は他の製品よりも割高です。
実際のところこの「Da Reya」は収益的には大赤字であるとカクダイの担当者も認めています。

カクダイの代表取締役社長である多田修三氏によると、この「Da Reya」を立ち上げたのは自社ブランドを確立したかったからだといいます。

水道水栓業界においては国内では大手2社が全体の9割を占めているため、中小企業においてはなかなか存在感を高めることができません。

そこで大坂ならではの「誰や!」というお笑いに焦点をあて、見かけた人が思わずクスリとするような製品をつくりたかったのだと言います。
なお一見ふざけた製品のように見えますが、販売されている蛇口はどれもきちんとJIS規格を通った安全なものだそうです。

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